全国建設業許可ガイド。生成りの紙地に、金色の日本列島のシルエットを描き、墨色の足場を小さく添えた図

建設業許可 Q&A

建設業許可なしで請けられる工事はどこまでですか?500万円の線はどう引かれますか?

公開 2026年9月23日 |監修 小野 好聡(行政書士・公認会計士・税理士)

お答えします

許可なしで請けられるのは、工事1件の請負代金が500万円に満たない「軽微な建設工事」だけです。建築一式工事だけは1,500万円に満たない工事、または延べ面積150平方メートルに満たない木造住宅を建てる工事まで広がります。金額は消費税を含めて数え、500万円ちょうどの工事には許可が要ります。同じ工事の契約を2つに分けても合計で判定し、注文者が材料を出したときはその市場価格を足して判定します。下請でも、委託の名目でも線は同じです。

本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。リンク経由でサービスを利用された場合、当サイトに紹介料が支払われることがありますが、ユーザーが追加費用を負担することはありません。

一解説

くわしい解説

許可なしで請けられるのは「軽微な建設工事」だけです

建設工事の完成を請け負って営業するには、建設業法3条1項に基づく許可が要ります。同じ条の「ただし書」が、例外を一つだけ置いています。政令で定める「軽微な建設工事」だけを請け負って営業する人は、許可を受けなくてよい、という例外です。

その中身は建設業法施行令1条の2にあります。軽微な建設工事とは、工事1件の請負代金の額が500万円に満たない工事です。「満たない」ですので、500万円ちょうどの工事は軽微な建設工事に入りません。許可が要ります。

この金額は、消費税と地方消費税を含めた額で判定します。条文にこの言葉はありませんが、国土交通省が公式サイトで示している扱いです(国土交通省「建設業の許可とは」)。見積書の税抜の額が500万円を切っていても、税込で500万円に達していれば線の外側です。

もう一つ、条文の「のみ」に注意してください。例外に当たるのは、軽微な建設工事だけを請け負う営業です。線を越える工事を請け負うなら、その時点で許可が要ります。

建築一式工事だけ、線が違います

施行令1条の2は、建築一式工事について別の線を引いています。建築一式工事の場合は、請負代金の額が1,500万円に満たない工事が軽微な建設工事です。加えて、建築一式工事のうち延べ面積が150平方メートルに満たない木造住宅を建設する工事も、金額を問わず軽微な建設工事に当たります。

この広い線が使えるのは、建築一式工事に限られます。建設業法3条2項のとおり、許可は建設工事の種類ごとに業種に分けて与えられます。内装仕上げ、屋根、塗装、電気といった専門工事を単独で請け負うときの線は500万円です。木造住宅の150平方メートルの線も、建築一式工事として住宅を建てる場合の話です。住宅のリフォームを専門工事として請け負うときには使えません。

どの工事が建築一式工事に当たるかの判断は、工事の内容によります。迷う場合は、許可行政庁の窓口か行政書士に確かめてください。

契約を分けても、材料を支給されても、足して数えます

金額は工事1件ごとに数えます。分け方については、施行令1条の2の2項に定めがあります。同じ人が、一つの工事の完成を2つ以上の契約に分けて請け負うときは、各契約の請負代金の合計額で判定します。契約書を分ければ線の内側に収まる、という読み方は、この定めで塞がれています。

正当な理由に基づいて契約を分けたときだけ、合算しません。ただし、何が正当な理由に当たるかは政令に書かれていません。個別の事情の判断になりますので、分割を前提に計画を立てるのは避けたほうが安全です。

同じ条の3項は、材料の扱いを定めています。注文者が材料を提供する場合は、その市場価格を請負代金の額に足した額で判定します。注文者が運送賃も負担しているなら、運送賃も足します。注文者が材料を買って渡す形にして請負代金を下げても、この判定では材料の価格を足して数える、ということです。

下請でも、委託の名目でも、同じ線です

建設業法2条2項は、「建設業」を、元請・下請その他いかなる名義をもってするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業と定めています。元請から仕事を受ける下請の立場でも、請け負う工事1件が線を越えれば許可が要ります。

契約の名前を変えても同じです。建設業法24条は、委託その他いかなる名義をもってするかを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として結ぶ契約を、建設工事の請負契約とみなすと定めています。「業務委託契約」という題名の契約書でも、中身が工事の完成を目的としていれば、建設業法の請負契約として扱われます。

線を越えて許可なしで営むと

建設業法3条1項に違反して、許可を受けないで建設業を営んだ人には罰則があります。建設業法47条1項1号により、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。同じ条の2項により、情状によっては拘禁刑と罰金の両方が科されることもあります。

会社として営んでいた場合は、行為者だけの問題では終わりません。建設業法53条1号により、行為者を罰するほか、その法人にも1億円以下の罰金刑が科されます。

罰則の重さそのものより、線の引き方を最初に知っておくことが大切です。500万円未満で始めた仕事が、追加工事や材料の支給で線を越えることは珍しくありません。

許可が要ると分かったら

建設業法3条1項のとおり、営業所を1つの都道府県の中だけに置くなら、その都道府県知事の許可です。営業所を2つ以上の都道府県に置くなら国土交通大臣の許可です。知事許可でも、工事そのものは全国どこでも施工できます。

申請の窓口、手数料の額と納め方、審査にかかる期間は都道府県ごとに違います。お住まいの都道府県のページに、公式の手引きと窓口をまとめています。

なお、解体工事には別の決まりがあります。建設リサイクル法21条1項により、請負代金が線の内側でも、工事をする都道府県ごとに解体工事業の登録が要ります。詳しくは姉妹サイトの全国解体工事業登録ガイドにまとめています。

線の内側で営業していても、元請から許可を求められることや、受注や融資の信用のために取得する例はあります。取るかどうかは、請け負う工事の額と取引先の求めから決めることになります。

※本記事は制度の一般的な説明です。個別の事情への当てはめは、行政書士または許可行政庁(都道府県の建設業担当課)にご確認ください。

二一次情報

根拠となる法令・公式資料(原文)

建設業法 第2条(定義——「建設業」は元請・下請その他いかなる名義をもってするかを問わず建設工事の完成を請け負う営業)

第二条 この法律において「建設工事」とは、土木建築に関する工事で別表第一の上欄に掲げるものをいう。

2 この法律において「建設業」とは、元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう。

3 この法律において「建設業者」とは、第三条第一項の許可を受けて建設業を営む者をいう。

4 この法律において「下請契約」とは、建設工事を他の者から請け負つた建設業を営む者と他の建設業を営む者との間で当該建設工事の全部又は一部について締結される請負契約をいう。

5 この法律において「発注者」とは、建設工事(他の者から請け負つたものを除く。)の注文者をいい、「元請負人」とは、下請契約における注文者で建設業者であるものをいい、「下請負人」とは、下請契約における請負人をいう。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100)/2026-09-22 取得時点
根拠法令等:建設業法(昭和二十四年法律第百号)第2条

建設業法 第3条(建設業の許可——軽微な建設工事の除外・大臣許可と知事許可・業種別許可・有効期間5年)

第三条 建設業を営もうとする者は、次に掲げる区分により、この章で定めるところにより、二以上の都道府県の区域内に営業所(本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるものをいう。以下同じ。)を設けて営業をしようとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合にあつては当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない。

一 建設業を営もうとする者であつて、次号に掲げる者以外のもの

二 建設業を営もうとする者であつて、その営業にあたつて、その者が発注者から直接請け負う一件の建設工事につき、その工事の全部又は一部を、下請代金の額(その工事に係る下請契約が二以上あるときは、下請代金の額の総額)が政令で定める金額以上となる下請契約を締結して施工しようとするもの

2 前項の許可は、別表第一の上欄に掲げる建設工事の種類ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる建設業に分けて与えるものとする。

3 第一項の許可は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

4 前項の更新の申請があつた場合において、同項の期間(以下「許可の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の許可は、許可の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。

5 前項の場合において、許可の更新がされたときは、その許可の有効期間は、従前の許可の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。

6 第一項第一号に掲げる者に係る同項の許可(第三項の許可の更新を含む。以下「一般建設業の許可」という。)を受けた者が、当該許可に係る建設業について、第一項第二号に掲げる者に係る同項の許可(第三項の許可の更新を含む。以下「特定建設業の許可」という。)を受けたときは、その者に対する当該建設業に係る一般建設業の許可は、その効力を失う。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100)/2026-08-17 取得時点
根拠法令等:建設業法(昭和二十四年法律第百号)第3条

建設業法 第24条(請負契約とみなす場合——委託その他いかなる名義でも、報酬を得て建設工事の完成を目的とする契約は請負契約)

第二十四条 委託その他いかなる名義をもつてするかを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100)/2026-09-22 取得時点
根拠法令等:建設業法(昭和二十四年法律第百号)第24条

建設業法 第47条(罰則——許可を受けないで建設業を営んだ者等:3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金・併科あり)

第四十七条 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。

一 第三条第一項の規定に違反して許可を受けないで建設業を営んだとき。

二 第十六条の規定に違反して下請契約を締結したとき。

三 第二十八条第三項又は第五項の規定による営業停止の処分に違反して建設業を営んだとき。

四 第二十九条の四第一項の規定による営業の禁止の処分に違反して建設業を営んだとき。

五 虚偽又は不正の事実に基づいて第三条第一項の許可(同条第三項の許可の更新を含む。)又は第十七条の二第一項から第三項まで若しくは第十七条の三第一項の認可を受けたとき。

2 前項の罪を犯した者には、情状により、拘禁刑及び罰金を併科することができる。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100)/2026-09-22 取得時点
根拠法令等:建設業法(昭和二十四年法律第百号)第47条
「拘禁刑」は令和7年6月1日施行の改正後の現行表記。法人に対する罰金刑は第53条(ho-kengyo-53)。

建設業法 第53条(両罰規定——第47条の違反行為は行為者のほか法人に1億円以下の罰金刑)

第五十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人、その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。

一 第四十七条……一億円以下の罰金刑

二 第五十条又は前条……各本条の罰金刑

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100)/2026-09-22 取得時点
根拠法令等:建設業法(昭和二十四年法律第百号)第53条
第47条(ho-kengyo-47)の違反行為について、行為者を罰するほか法人にも罰金刑を科する規定。

建設業法施行令 第1条の2(軽微な建設工事——500万円・建築一式1,500万円/延べ面積150㎡未満の木造住宅)

第一条の二 法第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事は、工事一件の請負代金の額が五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、千五百万円)に満たない工事又は建築一式工事のうち延べ面積が百五十平方メートルに満たない木造住宅を建設する工事とする。

2 前項の請負代金の額は、同一の建設業を営む者が工事の完成を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額とする。ただし、正当な理由に基いて契約を分割したときは、この限りでない。

3 注文者が材料を提供する場合においては、その市場価格又は市場価格及び運送賃を当該請負契約の請負代金の額に加えたものを第一項の請負代金の額とする。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/331CO0000000273)/2026-08-17 取得時点
根拠法令等:建設業法施行令(昭和三十一年政令第二百七十三号)第1条の2

建設リサイクル法 第21条 第1項(解体工事業者の登録——建設業許可の線の内側でも、工事をする都道府県ごとに登録が要る。土木一式・建築一式・解体工事業の許可業者は除く)(抜粋)

第二十一条 解体工事業を営もうとする者(建設業法別表第一の下欄に掲げる土木工事業、建築工事業又は解体工事業に係る同法第三条第一項の許可を受けた者を除く。)は、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000104)/2026-09-23 取得時点
根拠法令等:建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(平成十二年法律第百四号)第21条第1項(解体工事業者の登録)

※引用は原文のままです。読みやすさのため改行位置を調整し、一部を抜粋している箇所があります。最新の内容は必ず出典元のページでご確認ください。

三代行の頼み方

行政書士に代行を頼むには

申請はご自身でもできます。要件の当てはめや証明書類の集め方で迷う点があり、手間を省きたいときは、申請の代行を行政書士に頼めます。探し方は 3 つあり、ここでは料金と実績を見比べて選べるココナラを載せます。

ココナラのサービス検索結果画面のスクリーンショット。出品を料金・評価・納期で見比べられる

推奨

運営:株式会社ココナラ(東証グロース上場)

ココナラ

スキルシェアマーケットプレイス最大手。リンク先は「建設業許可」の検索結果で、行政書士が出品する新規許可申請・更新・業種追加などの代行サービスを、対応範囲・料金・納期・レビューで比較できます。オンライン完結の出品が中心のため、お住まいの都道府県を問わず依頼先を探せます。

こんな方に:料金と実績を見比べてから依頼先を決めたい方

ココナラで建設業許可の代行を探す →

ほかの探し方 2 つ(Google マップで近くの事務所を探す、日本行政書士会連合会の会員検索で探す)は、トップページの「行政書士に代行を頼むには」の章にまとめています。